確率を制するものは人生を制する

数学・確率・統計を背景とした投資や、確率を用いた様々なテーマについて扱っていきます。

テクニカル分析で勝つ期待値投資(株・FX)  積立投資の資産形成は出口戦略が重要〜長期投資でリスクは下がるってほんま?

こんにちは、かずです。

 

【この記事を読んで得られること 所要時間 約3分】

 

1)積立投資においては出口戦略こそ重要であることがわかる。

2)積立投資において最終積立年度に暴落が来てもなんら心配がないことがわかる。

 

 
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今回も、FX短期トレード経験5年、年間リターン80-100%の実績を踏まえて解説していきます!

 

積立NISAをされている方が多いと思うのですが、毎月あるいは毎年積み立てていく中で、20年後に運用資産額が最大(最大だと800万円)になり、そこでコロナショックやリーマンショックのような暴落が起こってしまったら、、、

 

 

資産額が大幅に減額してしまう・・・

 

そこまで必死に積み立てた分が全部パーになってまうやんけ・・・

 

という不安を抱いている方が多いようです。

 

そこで先日こういうツイートをしました。

 

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今回は『積立投資のような運用方法では出口戦略が重要になる』というポイントと
『長期投資ではリスクは下がるのか』というポイントについて、なるべく最低限の数式のみを用いて解説したいと思います。

 

 

 

以上について順に解説していきます。

 

 

(1)長期投資でリスクは下がらず、むしろ上がる。ただし”単年度あたり”のリスクは減少する

 

まず投資におけるリスクって何?って疑問の方はこちらを参照ください!
 

ナザールさんのブログが一番わかりやすいです。

投資におけるリスクとは?

 

 

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簡単に説明すると、要は投資した金額の動く幅のことを意味します。


いわゆる一般的なリスク(損した時ヤバイで!!)と言う意味とは、少し違います。

 

 

逆に、得する場合もリスクの範囲に含まれるわけです。


では、ズバリ結論です。

ここだけ金融工学の公式を使います。

 

σ;リスク n;運用期間
トータル運用期間でのリスク=σ√n

 

に、なります。

 

すなわち、運用期間が大きくなればトータルリスクは増えます。
単年度あたりのリスクは1/2のルート(平方根)をかけていくので減っていきます。

 

 

はい、わけわからんよね笑

 

では、具体的な数値で見てみましょう。

 

リスクσ;20%の商品があるとします。

 

1年の運用では当然、リスクは20%です。

 

2年の運用では20+20=40%でしょうか?

違います。20×√2≒28%
この場合、1年毎のリスクは14%になります。

 

10年の運用では20×10=200%ではなく、20×√10≒63%
この場合、1年毎のリスクは6.3%になります。

 

このように、運用期間全体としてリスクは上昇しますが、
運用期間が長くなるほど『単年度あたり』のリスクは減少する、ということになります。


ここで、歴史的名著である、ウォール街のランダム・ウォーカーから。

 

こちら有名な画像です。

 

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株式投資のリスクも投資期間に応じて減少するのだろうか。


答えはもちろん「イエス」である。株式を「長期間」保有し、一度買ったら多少の価格変動があっても我慢して持ち続けるという基本方針を貫けば、リスクの全部ではないがかなりの部分を減らすことができる。

 


参考;ウォール街のランダム・ウォーカー <原著第10版>―株式投資の不滅の真理 

 

株式投資のリスクも投資期間に応じて減少するのだろうか。答えはもちろん「イエス」である。』

 

→ ここは実は厳密には間違いで、正解は『単年度あたり』のリスクは減少する、だと思います。

 

パッとこの図を見ると、運用年数が長くなるほどリスク(標準偏差)の散らばり具合が減少してるように見えます。

 

しかし、この図の示す本来の意味は

『1年、5年、10年、15年、25年』とそれぞれ運用期間をとると、各運用期間の平均値の最大値と最小値は縮小する、という意味だと思われます。

(少なくとも僕はそう捉えています)

 

う〜ん・・・少し難しいですね。。。

よ〜わからん人は、ここはもう飛ばしてください笑

 

もうちょいわかりやすい、山崎元さんの引用から

 

まず、「長期投資はリスクを縮小させる」は間違いです。
あたりまえですが運用期間が長期化するほど、運用資産額がとり得る上下の幅は拡大し、投資家にとっての不確実性は拡大します(その代わり期待収益も増えます)。
通常、運用期間の長さにつれて資産額の期待値もリスクも、ともに拡大します。


参考;山崎元のお金に強くなる!

 

 

これはわかりやすいですね。
初めの式とイメージは合致します。

 

つまるところ、運用1年ではリスクが高く、20年もやると、その運用の1年毎のリスクは減少する。

 

が、結論と言えます。

 

 

 

投資の本を読む時間なんて無いですよね笑

 

そういう時にオススメなのがKindle Unlimited

現在無料で利用できます。

 

さらに、トークバックという機能を使うことで、読み上げで聞きながら勉強ができるので、通勤中やお風呂など、スキマ時間に利用できます。

 

 

 

 

 

(2) 積立投資のような運用方法では取り崩しも段階を踏んで行う

 

(1)を踏まえて、ドルコスト平均法のような手法で資産形成をされている方は、出口戦略が重要になります。

 

何故なら、例えば積立NISAのような運用を行なっている場合、20年目の積み立てた合計の資産額が最大になります、

しかし、20年目に積立した資産は、わずか1年しか運用できていないからです。

 

 

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引用元;https://www.daiwa.jp/sodatte/lesson/s0118/

 

ここで冒頭申し上げましたように、毎月あるいは毎年積み立てていく中で、20年後に運用資産額が最大になり、そこでコロナショックやリーマンショックのような暴落が起こってしまったら資産額がクラッシュしてしまう・・・。

 

と、いうのは当然で、運用の後半に積み立てた資産は、ほとんど運用期間がないからです。


いわゆる投資における時間分散の効果、σ√nの恩恵を受けれないのです。

 

ですので、後半積み立てた資産はなるべくそのまま運用を続け、初めに積み立てた資産から取り崩していく、という戦略が望ましいと考えます。

 

取り崩し理論の代表としては、「4%ルール」というものがあります。

 

「4%ルール」とは、ポートフォリオの4%を年間の生活費に回しても、ポートフォリオだけで残りの人生を全うできるというトリニティ研究の結果からきています。

 

この研究では1926年から1997年のデータを使い、ポートフォリオをどのように割り当て、どのくらい引き出すことで残りの人生で資産がどうなるかを調べています。

 

・株式50%:債権50%のポートフォリオに対して、取り崩し率を年4%にする
・30年後に資産が残る確率は96%あるという過去検証による研究結果(ただし米国株、債権)になってます。

 


他にも定率、定額切り崩しなど、ここでいつもお世話になってる、みらいさん

 

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具体的戦略は、こちらが詳しいです!

 

また、積立NISAであれば単年度あたり40万円の仕送りを1年ごとに20回している、と考えるとわかりやすいかもです。

 

 

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そして、僕がこれや!と思う、以上を踏まえた、積立NISAの出口戦略の最終形態はこれです。

 

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名付けて『ななし理論』です!
20年後に儲かっていれば贅沢をする。損をしていれば清貧に暮らす。

 

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考案者は、勿論この方、ななしさん

 

ポイントは極めてシンプルです。

 

・積立NISAの運用期間20年が過ぎたら、積み立てた1年分ずつの運用部分だけを引き出す(正確には特定口座に溢れ出てくる分を頂く)ということです。
・増えている年(元本40万円以上)もあれば、減ってる年(40万以下)もある。

 

これだけです。



非課税運用期間の恩恵を丸々受ける、という優れた手法です。


定率引き出しに近いですが、引き出し額が毎年の運用結果によって上下してしまいます。

 

個人的には、運用で増えた年(積立額の5%を大きく超える年)は、減った時のためにプールしても良いと思ってます。

 

そうすることで、定額かつ定率のような切り崩し戦略に変化します!

 

まとめ

 

・長期投資でリスクは下がらず、むしろ上がるが、『単年度あたり』のリスクは減少する。
・積立投資のような運用方法では後半の積立資産も長く運用する必要があるため、段階を踏んで取り崩す。

 

どうでしょうか?

 

積み立てた20年後にピンポイントに暴落がきたら全部パーや・・・

という不安は解消されたでしょうか?

 

読者の皆様が、そうなったなら幸いです。

 

 

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